自粛生活の中で、食事をついついコンビニやスーパーで買ったお弁当で済ませることが多くなったりしていませんか?このような食生活の中では、油ものを摂取することが増え、野菜や果物を食べる頻度が落ちてしまっているかもしれません。今回は、日本で一年中食べられる「りんご」の効果に関する最近の報告を紹介します。
高コレステロール血症に効果がある?
43名の軽度高コレステロール血症の健常者を対象とした試験で、1日2個りんご食べることで血中のコレステロール値を減少させられることが報告されました。具体的には、1日2個のりんごを8週間摂取することで、総コレステロール値やLDLコレステロール値などが減少するとされています1)。しかしながら、その効果は正常値まで改善するほどではないため、「りんごを食べているから大丈夫だ」と信じていくのではなく、同時に食生活・運動習慣を改めていくと良いでしょう。
どのようにして食べる?りんごジュースではダメなの?
りんごはもちろんそのままでもおいしく食べられますが、皮を剥くのが面倒で、ついジュースで済ましてしまう方もいらっしゃるかと思います。しかし、今回の研究報告では、比較対象としてりんごジュースを用いていますが、そちらでは効果が得られていません。また、加熱などでりんごに含まれるポリフェノールの効果が低下してしまう場合もあります。りんごは皮にも栄養を含んでいますので、面倒な場合は生のりんごをそのまま食べても良いでしょう。
文:竹垣淳也
引用文献
- Koutsos, A., Riccadonna S., et al.: Two apples a day lower serum cholesterol and improve cardiometabolic biomarkers in mildly hypercholesterolemic adults: a randomized, controlled, crossover trial. Am. J Clin. Nutr. 2020 Jan 111 (2): 307-318.