コロナの影響で外出自粛となり、運動不足だけでなく、日光に当たる機会が減ってしまっているヒトも多いのではないでしょうか?適度に日光に当たらないと、体内のビタミンDが不足してしまいます。今回は自宅の玄関やベランダで簡単に実施できる、ビタミンDの補給方法についてお話したいと思います。
ビタミンDの充足は健康の維持に重要
ビタミンDは主にカルシウムやリンの代謝に重要であると言われています。ビタミンDを充足させることによる効果は様々なものが報告されており、がんや糖尿病、うつ病などの疾患の予防や免疫機能の向上など、多岐にわたります。一方で、ビタミンDが欠乏すると、転倒や骨折のリスクを増加させるだけでなく、筋肉量が減ったり、筋機能が低下してしまったりすることが報告されています。
ビタミンDは皮膚における紫外線照射による合成と、食事から摂取の二通りの供給方法があります。太陽光を浴びる時間と血液中のビタミンD濃度の関係をみた研究では、太陽光に当たる時間が少ないヒトは、ビタミンD欠乏に陥りやすいことが報告されています。また、食事の摂取でビタミンDを十分に補給することは難しいため、日光に当たることが重要であると言えます。外出自粛や在宅ワークでなかなか外に出る機会がないという方は特に、ビタミンDが不足していることが考えられます。
逆に言えば、太陽光を浴びるだけでビタミンDを補給できるのです。お庭やベランダに出て、一日10-20分程度、日光浴の時間を作ってみませんか?紫外線量は日によって異なるため推奨時間は微妙に変動します。国立環境研究所のサイトにて推奨時間を確認することができますので、ぜひご活用ください!
👉http://db.cger.nies.go.jp/dataset/uv_vitaminD/ja/mobile/yokohama_now1.html
外の空気を吸うことで、気分転換にもなるのではないでしょうか。
文:森 理紗子
引用文献
[1] Visser, M., et al. (2003). Low vitamin D and high parathyroid hormone levels as determinants of loss of muscle strength and muscle mass (sarcopenia): the Longitudinal Aging Study Amsterdam. The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, 88(12), 5766-5772.
[2] Need, A. G., et al. (1993). Effects of skin thickness, age, body fat, and sunlight on serum 25-hydroxyvitamin D. The American journal of clinical nutrition, 58(6), 882-885.
[3]国立環境研究所 地球環境センター HP: http://www.cger.nies.go.jp/ja/